最低限の材料と最低限の工程でパンを作ってみた!
先月からパンを作るようになり、今月引っ越してからもテスコムの低温コンベクションオーブンを購入してパンを焼いています♪

けさは100均のクルミ使ってクルミパンを焼いてみた🥖
はみ出たクルミがちょっとカワイイ😋天気はイマイチだけどしあわせな朝🌅#手作りパン #朝ごはん #テスコムキッチン #TSF601 pic.twitter.com/MBUd5CnpHC
— ken2@無職2.2 (@nokotoblog) July 22, 2020
世の中には本当にたくさんのパンレシピが紹介されています。
始めたばかりなのでいろんなパンに挑戦したくなりますが・・・理系の私は同じレシピでシンプル&ベーシックなパンばかり作って、パン作りの感触を確かめたり再現性データを取ったりしています(笑)。
そんな中でもっともシンプル、もっともミニマルで、もっとも簡単に作れるパンを作りたくなってきました。凝ったパン作りに飽きたとしても、これなら焼いてみるかって思えるくらいの簡単さ・・・なんて。
本記事で紹介するミニマルパンは、最低限の材料を使って捏ねなし・ベンチタイムなし・成型なしで作ります。
注)ベンチタイム:成型前に生地を休ませてその後の成型をしやすくする時間(だいたい10分〜20分)
ミニマルパンのレシピ
ミニマルパンの材料はパンを構成する基本材料のみ。
この中で砂糖は副材料とされますが、イーストの栄養になったりパンに保水性を与える(固くなりにくくする)重要な働きをするので入れてあります。ただし量は少なめ。
ミニマルパンのレシピ(小麦粉重量に対する%)
1.強力粉(COOP強力粉):300g(100%)
2.インスタントドライイースト:2.4g(0.8%)
3.グラニュー糖:7.5g(2.5%)
4.塩:3.0g(1.0%)
5.常温の水:200g(66.7%)
今回のレシピから材料欄に小麦粉重量に対する%を入れました。パン業界ではベーカーズパーセントと呼ぶそうです。
ベーカーズパーセントとは?徹底解説!|cotta column
私は前職で化学関係の研究開発職をやっていたのですが、その時の考え方にとても近くて直感的に分かりやすいからです。モノマーに対して開始剤を何%入れるとか連鎖移動剤を何%入れるとか・・・ちょっとマニアックすぎましたね(笑)。
使用した強力粉はCOOPさっぽろで購入したCOOP印の強力粉。1kg入りで税込み214円でしたので、今回の配合では64.2円です。
ドライイーストも25円前後ですので、今回の手作りパンは電気代入れても100円するかしないかでしょうか・・・手作りパンって安くておいしい趣味だなぁ(笑)。

ミニマルパンの工程
計量と1次発酵
さて今回のレシピをみるとドライイーストの量がかなり少ないです。これまで対強力粉2%程度だったのが今回は0.8%。
調べたところオーバーナイト発酵というものは、低温で長時間(ひと晩)ゆっくりと発酵させるため、イースト量が通常より少なくて良いそうです。
実際何度かこの量で焼いてますが、0.8%でも2%のときと同様にしっかり発酵してパンができることを確認しました。
それらを踏まえてとにかく単純化した工程は下記の通り。
ミニマルパンの工程
1.ボウルにレシピの材料を一度に入れて木べらで混ぜる
(小麦粉以外は小皿などに量っておく・水は常温)
2.生地がまとまってきたらラップして冷蔵庫で一晩1次発酵(8〜12時間)
3.生地のガス抜き・分割・丸くしてから2次発酵(低温モード:40℃×30〜40分)
4.オーブンをプレヒート(高温コンベクションモード:200℃×5分)してから焼成(同じく200℃×14分)、網の上で粗熱をとって完成!
わが家のキッチンスケールは200gまでは0.1g単位で量れますが、それ以上では0.5g単位・・・なので小麦粉と水以外の材料は小皿にとります。



そして小麦粉を量ったボウルの中に各材料を一気に投入!
これまでは40℃程度に温めた水(ぬるま湯)の中にイーストとグラニュー糖を溶かし、それを強力粉(と塩)の中に投入していました。この作業を単純化するために、まず強力粉の上にイーストとグラニュー糖を近くに置いて水で混ぜてから全体を混ぜることにしました。
通常はグルテンを形成させるのに人間が生地を捏ねますが、オーバーナイト発酵ではその働きをイーストくんにお願いするので、人間は木べらで混ぜる程度にしておきます。
これだと生地が手や捏ね板に付かなくて、ロスもほとんどないのが良いですね♪




分割・成型と2次発酵
冷蔵庫で一晩寝かせたパン生地は2倍以上に膨らんでるはずです。

まずは全体の重さを量ってから分割します。多少べとつきますので、必要であれば打粉(材料と同じ強力粉でOK)をしましょう。
何個に分割するかは配合量とオーブンサイズによるのでいくつでもいいのですが、わが家の場合は今回の配合で9個に分割しました。


分割したら表面にハリをもたせるようにしながら丸くします。
このあと通常は10〜20分のベンチタイムで生地を休ませてから成型しますが、丸パンなのでこのまま2次発酵させちゃいます。何度か作りましたがこれでも問題はなさそう(たぶん)。
2次発酵はテスコム TSF601 の低温モードで40℃×30〜40分。このオーブンのおかげで季節を問わず、部屋の気温をそこまで気にかけなくても安定した発酵が期待できますね。


2次発酵でまた一回り大きくなるのでパン同士がくっつきそうになることもあります。くっつく前に小さく切ったオーブンシートを挟んでおきましょう。

アレンジと焼成
このまま焼いてもミニマルパンの完成ですが、オーブンのプレヒートをしてる間にアレンジをしてみました。
キッチンハサミで切り込みを入れたところにバターを挟み、上からシナモンをパッパッパ!・・・果たしてこの遊びごころどう出るか(笑)。

プレヒートが終わったら、すぐに高温コンベクションモードで200℃×14分で焼成します。
焼成中は溶けたバターの香りとともにパンの焼けるいい香りが漂ってきます!う〜ん、たまらん♪



いざ実食!
焼き上がってオーブンに付属の脚付き網に乗せて粗熱を取ったら出来上がり!
キッチンハサミで切ったところに溶けたバターが染み込んでとても美味しそうな見た目・・・もちろん味も染みたバターのおかげで、美味しくてとっても風味豊かです。
一晩じゅうイーストくんが働いけくれたおかげで、パンそのものもしっかり膨らんで柔らかい!
とてもミニマルな工程で作ったパンとは思えません!

このパン作りをツイートしたところ、このオーブンのメーカーであるテスコムさんからありがたいリツイートをいただきました!
とろけるバターに悶絶🤤✨
おなかすきました😭💕 https://t.co/ZsFAt1o5EE— テスコム(公式)絶賛発売中!!【1台6役!!NEO低温調理家電】低温コンベクションオーブン (@TESCOM_JP) July 30, 2020
製造メーカーとこういうやり取りができるのは素晴らしく嬉しいことですね♪
まとめ
さてパンを作り始めたばかりながらミニマルパン製法を考えてみましたがいかがでしたでしょうか?
手作りパンは生地や室温などと相談しながら、手間ひまを惜しまずに作るのが醍醐味です。ただ毎回毎回それをするのは大変だし、一時期はハマっても飽きたらサッパリ作らなくなっちゃう・・・なんてこともありそうです。
なので普通に暮らす時間の中で自然に美味しいパン作りが続けられるような製法を、化学者的な視点で考えてみました。
特に季節や室温に関わらずに発酵温度の管理ができる低温オーブンは強い味方になりますし、これ1台で焼成までできるのでミニマリストとしてもありがたい限りです(笑)。
必要最低限な工程は人間にとっては手を抜けることになる一方で、パン生地にとっても必要以上の負荷を与えないメリットがあります。イーストくんと小麦の不思議な力に頼りましょう!
もちろんこれからはいろんなパンも作っていきたいです。
パン作りは科学だ!